調査員   このサイトの図鑑ページを読んで、「~科」などの分類、学名などを、「ややこしい」と感じた方は、こちらのページをご覧になってみてください。
ここでは、生き物の分類方法などについての、簡単な説明をさせていただきます。
 

■生物の分類一覧

生物の分類一覧

ここでは「界」を最も大きな分類群とし、以降「門」「綱」「目」「科」「属」「種」としていますが、他にも、「界」の上にさらに大きな分類群を置く考え方もあります。ここに挙げている分類方式は、無数にある方式の中の1つでしかありませんので、あくまで参考としてご覧になって下さい。
また、それぞれの分類群が、内部でいくつに分かれるか、というのも、一概には言えません。10を超えない「界」から下位に行くほど内部での分かれ方は多くなっていき、最もせまい「種」は、すべて含めると1億種ほどになると言われています。

調査員   「目」より上あたりになると、姿形がよく似た生き物が多くなってきます。
底生生物の図鑑ページで「~のなかま」として分けているのは、大部分が、同じ「目」同士の生き物です。
 
 
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<参考>ヒトと、それ以外の生き物との生物学的距離

  動物界 脊索動物門 哺乳綱 サル目 ヒト科 ヒト属 ヒト
ヒト  
ネアンデルタール人
チンパンジー
キツネザル
ネコ
カエル
トビケラ
 

界→門→綱・・・と進んでいくほど、ヒトと姿の似た生き物が多くなっていきます。
トビケラやカエルなど、より上位の分類群でヒトと分かれている生き物は、より早い段階で、ヒトと進化の方向を別にした生き物だと言えます。

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■さらに詳しい分類

生き物の分類に使用される分類群は、上に挙げたものが基本ですが、多くの分類群は、内部でさらに細かな分類群に分かれています。
図鑑ページでは使用していませんが、参考までに、「目」から「種」までの、さらに細かい分類群を紹介します。

さらに詳細な分類群

 
調査員   ここまで来るともう、迷路に迷い込んだような気分になります。ハエの仲間やカワゲラなど、種類の多い生き物では、「亜科」「族」「亜属」などの分類群はよく使われます。  
 
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■生き物の名前

このサイトの図鑑ページでは、児島湖周辺で見つかった生き物を、名前付きで紹介しています。
例えばカゲロウの仲間であれば、「チラカゲロウ」「オオマダラカゲロウ」のような名前があります。これは「和名」です。
一方で、アルファベットで書かれた、何やら意味の分からない名前も書かれています。こちらは「学名」といいます。
この「和名」と「学名」、どちらが正しい、正しくないというようなものはなく、どちらもその生き物の持っている本物の名前です。ここでは、「和名」と「学名」について、簡単な説明をさせていただきたいと思います。

・学名

学名というのは、一言で言えば、「世界共通の名前」です。
日本でもヨーロッパでもアフリカでも、世界中どこへ行っても通じる名前というのが学名です。学名はラテン語で書かれているため、私たちがその意味を理解することは困難です。しかし、いくつかのルールが厳格に決められていて、そのルールにのっとった形式で書かれているため、単語の意味は分からなくても、ルールを知っていれば、何となくの意味をつかむことは可能です。
以下に、学名を書くにあたってのルールのいくつかを、簡単に説明します。


「種」までを表す場合

  属名 + 種名  
  <例>アカムシユスリカ(Propsilocerus akamusi
  Propsilocerus(アカムシユスリカ属)+ akamusi(アカムシユスリカ)
 
調査員   「属名」と「種名」を、それぞれ「苗字」と「名前」に置き換えてみると、理解しやすくなるかもしれません。
ちなみにラテン語はもう使われていない「死語」ですので、発音する時はどんな風に読んでも自由です。
 

「科」までを表す場合

  科名 + gen. + sp.  
  <例>カワゲラ科の一種(Parlidae gen.sp.)

「属」までを表す場合

  属名 + sp.  
  <例>ナガレトビケラ属の一種 (Rhyacophila sp.)
 
調査員   「gen.」というのは「属」、「sp.」は「種」を意味します。
単語の意味が分からなくても、これが付いているか付いていないかで、「種」「属」「科」のどれを表しているかが分かります。
 
 
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・和名

学名が世界共通なのに対し、和名(標準和名)は日本国内で共通して使われる名前です。
私たちは、同じ1種類の生き物に対し、状況に応じて様々な呼び名を与えます。魚であれば、水の中で泳いでいる時、釣り上げられた時、店先に並んだ時、調理されて食卓に上った時、それぞれの呼び名が全く違うということは、水産物豊かな日本では、決して珍しくないことです。1種類の生き物に対する呼び名が複数あるということは、それだけ様々な場面で、その生き物と人が触れ合ってきたということでもあります。

しかし、この呼び名の多様性は、時として混乱を引き起こします。実際に、有毒のフグと無毒のフグが、別々の地方で同じ名前で呼ばれていたために、間違って流通してしまった有毒フグが、人の口に入って中毒事件を起こしてしまった、というようなケースもあります。 近代に入り、外国の分類学(学名を使用した、理路整然とした区分法)が日本に広まると、日本国内どこへ行っても通用する、標準的な名前が必要だという意識が高まりました。それ以来、日本国内における「学名」とでも言うべき役割を期待されて命名されているのが、標準和名です。


<例>アメリカザリガニの様々な和名と標準和名
外国語の日本語読みなどでも、国内で使われている名前はすべて広義の和名と言える。
商品名
ザリガニ
  外国名の日本語読み
エクルヴィス
  地方名
エビガ二、カニエビ
  標準和名
アメリカザリガニ
 
 

標準和名の付け方には、学名のような確固たるルールは存在しません。基本的には命名者の裁量に任されているのが現状です。とは言え、もちろん、全くの無法地帯というわけではありません。

以上のような方針にのっとり命名するべきだとされています。

調査員   児島湖で見つかった生き物の中には、どういう経緯で名付けられたのか、想像力をかき立てられる生き物が多くいます。図鑑を見る時、名前の由来なども想像してみると、より一層楽しめるのではないでしょうか。       
 
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