児島湖ではヨシを用いた湖の水質浄化に取組んでいます。
児島湖沿岸のどの辺りにヨシがあるのか、
2010年2月から11月まで調べてみました。
地図のカメラアイコンをクリックすると、各調査地点での写真が表示されます。
ヨシ群落調査は、2010年2月から11月に行いました。
ヨシの分布を、徒歩と写真撮影による現地調査および航空写真を分析して調べました。調査は児島湖沿岸と流入河川の河口付近で行いました。
→詳細なヨシ分布図を見る
ヨシ原はたくさんの生き物を育みます。
(→当サイトの「図鑑ページ」でオオヨシキリを見る)
児島湖におけるヨシによる水質浄化の取組み
児島湖ではヨシを用いた湖の水質浄化に取組んでいます。
【児島湖の水質】
現在児島湖の水質は、環境省における指定湖沼の調査で、COD(※)値による水質が、平成10年度ワースト3位から平成20年度ワースト11位に改善されていますが、いまだに環境基準をクリアしていません。
(主な汚濁原因は家庭から排出する生活排水です。)
※COD(Chemical Oxygen Demand):化学的酸素要求量。代表的な水質の指標の一つ。
【ヨシによる水質浄化の仕組み】
(図参照)
ヨシの茎や根に付いた微生物が、水中の有機物を分解します。 また水質汚濁の原因である窒素やリンを吸収します。
【児島湖における取組み】
枯れたヨシはそのままにしておくと水質汚濁源となるため、刈り取ります。刈り取ったヨシを農業に利用し、資源を循環させます。
ヨシによる水質浄化
児島湖沿岸には水質浄化作用を持つヨシが育っています。
ヨシの刈り取り
ヨシは、冬には根を残して枯れます。枯れたヨシは水質汚濁の源になるので取り除きます。
クレマチス切花栽培で利用
クレマチス栽培農家では、つる性植物のクレマチスを育てる支柱に、刈り取ったヨシを使います。クレマチスはキンポウゲ科センニンソウ属の総称です。
(→当サイトの「図鑑ページ」でセンニンソウを見る)
刈り取ったヨシは焼却処分しません。ヨシは資源として活用します。
果樹園で利用
桃栽培農家では、桃の栽培にヨシで作った堆肥を使います。ヨシで作った堆肥は、肥料としての効果に加え、土に空間を持たせ、水分を保持するスポンジのような役割を果たします。ピオーネ栽培農家では、保湿・雑草抑制のために、ヨシを、果樹圃場(かじゅほじょう)に敷いています。
水田で利用
水稲栽培農家では、水田暗渠(すいでんあんきょ)の被覆材として、ヨシを利用しています。水田暗渠は、水田に埋設する排水管です。この地下排水管のまわりに、ヨシの束を敷設します。
図 「児島湖におけるヨシによる水質浄化の取組み」
ヨシ写真集
最後に、私たちが各調査地点で撮影したヨシの写真をご紹介します!
平成21年度の調査(2009年6月~2010年3月)の間に撮影しました。
- Photo Information -
- 8 Sep 2009 玉野市東高崎
- summer 2009 岡山市北区新庄上
- summer 2009 岡山市北区新庄上
- 4 Jun 2009 岡山市北区栗井
- 8 Sep 2009 岡山市南区藤田 笹ヶ瀬橋
- 24 Aug 2009 玉野市八浜町 児島湖ふれあい野鳥親水公園
- 24 Aug 2009 玉野市八浜町 児島湖ふれあい野鳥親水公園
- 2 Jun 2009 玉野市八浜町 児島湖ふれあい野鳥親水公園
- autum 2009 岡山市南区藤田
- summer 2009 岡山市北区新庄上
- summer 2009 岡山市北区新庄上