植物プランクトン
 
植物プランクトン種の説明
 
 細胞に葉緑素をもち、光合成をして自分でデンプンなどをつくって生活しています。
 葉緑素以外の色素をもっていることもあり、水の色と深い関係があります。水の色が黄色っぽくなると珪藻のなかまが多く、緑色に見えるときは緑藻のなかまが多く見られます。色素をもっているので、動物プランクトンと区別がつきます。
 植物プランクトンの中には鞭毛を使って、泳ぐなかまもいます。
 植物プランクトンは大きく分けて4つの種類がいます。
藍藻綱(らんそうこう)  オシラトリア、メリスモペディアなど

細胞の中にハッキリした核がないことが特徴です。
光合成によって酸素を作る細菌の仲間です。
細胞の色は、あい色や緑色、茶色などが多いです。


オシラトリア メリスモペディア

オシラトリア

メリスモペディア


珪藻綱(けいそうこう) ナビキュラ、メロシラ バリアンスなど

色は黄褐色で、藍藻や緑藻の仲間と区別することができます。
細胞がガラスの成分のケイ酸質の殻に入っているのが特徴です。
珪藻は死んでも殻は残ります。



ナビキュラ メロシラバリアンス

ナビキュラ

メロシラ
バリアンス

鞭毛藻綱(べんもうそうこう)

クリプトモナス、ディノブリオンなど

光合成をして生活して、1、2本の鞭毛で自由に動き回れることが特徴です。
黄色鞭毛藻、渦鞭毛藻、褐色鞭毛藻、ミドリムシ藻などの仲間があります。



クリプトモナス ディノブリオン

クリプトモナス

ディノブリオン

緑藻綱(りょくそうこう) 

コエラスツルム、コスマリウム、セネデスムス クアドリコーダなど


細胞の中に色々な形の葉緑体が入っていて緑色の色素を多く含んでいるので、緑色に見えるのが特徴です。



コエスラツルム コスマリウム セネデスムス クアドリコーダ

コエラスツルム

コスマリウム

セネデスムス
クアドリコーダ


植物プランクトン調査結果
植物プランクトングラフ春季 植物プランクトングラフ凡例

 児島湖では、珪藻綱のメロシラ イタリカの数が多く、シクロテアも次いで多かったです。緑藻綱のクラミドモナスは、夏と冬にも確認されていますが春は特に多かったです。メロシラ属は、大雨の後や風の強い日の後で、よく見かけることがありました。藍藻類のオシラトリアが多いのは止水域の倉敷川で、珪藻類は、流水域の旭川水系用水路でアステリオネラ フォルモサが目立って多いのですが他の種類は平均的でした。

メロシラ イタリカ シクロテラ クラミドモナス アステリオネラ フォルモサ

メロシラ イタリカ

シクロテラ

クラミドモナス

アステリオネラ
フォルモサ


植物プランクトングラフ夏季 植物プランクトングラフ凡例

 1年を通して、種類が最も多いのですが、数としてはあまり多くなかったです。
 止水域の倉敷川で珪藻綱のナビキュラが他と比べて多いくらいでした。
 春・秋・冬は珪藻綱がかなりの割合いを占めていますが、夏は緑藻綱も種類が多くなっていました。
 しかし、2種類を除きほとんどは児島湖だけでの数値でした。
 児島湖での優占2種を上げると、1番が珪藻綱のシクロテラ、2番が藍藻綱のメリスモペディアでした。

ナビキュラ シクロテラ メリスモペディア    

ナビキュラ

シクロテラ

メリスモペディア

 


植物プランクトングラフ秋季 植物プランクトングラフ凡例

 児島湖では、珪藻綱が4種確認されていますが、メロシラ イタリカの数が特に多かったです。
 褐色鞭毛藻綱のクリプトモナスは、他に旭川水系用水路で少し確認されていますが児島湖が目立って多いことがわかりました。
 調査地点5ヶ所の内、児島湖と同じ止水域の倉敷川は数値が高いことがわかりました。
 秋の調査では、笹ヶ瀬川(流水域)で、珪藻綱のナビキュラの数値が特に高いことが目に付きました。

メロシラ イタリカ クリプトモナス ナビキュラ    

メロシラ イタリカ

クリプトモナス

ナビキュラ

 


植物プランクトングラフ冬季 植物プランクトングラフ凡例

 児島湖では、春にも珪藻綱のメロシラ イタリカの数値が目立ちましたが、冬はその数値が6倍以上となっていました。他にも黄色鞭毛綱のディノブリオン、珪藻綱のアステリオネラ フォルモサの数値が目立っていました。
 5ヶ所の調査地点を比べてみても1年を通して珪藻綱の占める割合いが高いが、冬は特にその割合いが高いのがわかりました。

メロシラ イタリカ ディノブリオン アステリオネラ フォルモサ    

メロシラ イタリカ

ディノブリオン

アステリオネラ
フォルモサ

 


植物プランクトン・まとめ

 1年間の植物プランクトン調査で、児島湖は調査地点5ヶ所の中でも、プランクトンの細胞数の多さが際立っていました。



クロロフィルa

クロロフィルとは、葉緑体に含まれる緑色色素であり、光合成で中心的役割を果たします。
クロロフィルは4つに分類され 、このうちクロロフィルaは、光合成細菌を除く全ての緑色生物に含まれるもので、 藻類の存在量の指標となります。

クロロフィルa量のグラフ
 時期地点
 児2笹2倉3旭3高3
38.0 2.0 2.5 2.7 2.6 
16.0 5.9 11.0 1.1 1.9 
17.0 11.0 10.0 2.4 1.3 
59.0 3.2 2.2 1.9 1.7 

 春(5月)、夏(8月)、秋(11月)、冬(12月)に児島湖と4ヶ所の河川で調査した結果が左のグラフです。
 ある資料では、湖沼や沿岸域のクロロフィル濃度は高いとありますが、グラフを見ても児島湖の濃度が他の地点と比べて、極めて高いのがわかりました。
 調査地点によって、例えば児島湖は冬が高いが、笹ヶ瀬川は秋が高く、旭川水系用水路、高梁川水系南部用水では春が高いという結果となりました。

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