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鮒飯
鮒飯   フナを使った料理は、一般にはあまりなじみがないかもしれません。塩漬けのフナを飯と一緒に漬け込んだ「鮒寿司」は滋賀県の郷土料理です。一方でこの「鮒飯」も、岡山では、昔から伝わる郷土料理として、親しまれてきました。
簡単に言えば、ミンチ状のフナ肉を野菜と一緒にダシ汁で煮込み、味を付けたものを、ご飯の上にかけていただくものです。今では、食べようと思っても、川魚専門の料理屋などに行かないと食べられないかもしれません。守り続けていきたい、素朴な味です。
調査員 寒ブナとも言われるように、フナは冬に旬を迎えます。旬の季節、児島湖周辺の青空市場に行く機会があれば、鮒飯を味わえるかもしれません。
 
 
調理手順
調理手順1   調理手順2   調理手順3
 
児島湖産の天然ゲンゴロウブナ。30cmを超える、見事なサイズのものが獲れました。下ごしらえの時に暴れないようにと、40分ほど冷凍庫に入れておいたのですが、一向に弱る気配がありません。   ウロコを取り、頭をおとし、三枚におろします。かなり丈夫なウロコを持っていますので、台所を散らかさないよう、ビニール袋の中などに入れ、その中でウロコを取るようにすれば、片づけが簡単でいいかもしれません。   3枚におろした身を、包丁でたたいて細かいミンチ状にします。
本来は、身と一緒に骨まで丸ごとミンチにするのが正当なのですが、身にくっついた小骨が十分多かったので、背骨は取り除きました。
調理手順4   調理手順5   調理手順6
 
ミンチ肉に刻んだショウガをたっぷりと加え、サラダ油を引いた鍋に入れ、木べらなどで混ぜながら丹念に炒めます。フナの臭みをできるだけ取り除きたいので、うっすらと焦げ目がつくまで、弱火でじっくりと火を通しましょう。   フナが十分に炒まったら、鍋に水を加え、細かく刻んだ大根やニンジン、ゴボウ、コンニャク、油揚げなどを加えて煮ます。アクがかなり出ますので、丁寧にすくい取ります。そのまま、中の具が十分柔らかくなるまで煮ていきます。   しょうゆ、塩、みりんなどで、お吸い物よりもやや濃い目に、味を整えます。味付けが終わったらネギを散らし、炊きたてのご飯にかけていただきます。
 
試食・感想
器に盛った鮒飯を、すすり込むようにして食べると、よく炒めたショウガの甘い香りが、ふわっと広がります。フナの味に、少し土の香りが感じられて、ゴボウなどの根菜の風味とぴったりと合います。それがシャリシャリとした骨の食感とあいまって、どこか懐かしい味わいです。見た目は味噌汁の「ねこまんま」と似たような感じで、よく食べられていた時代には、「ご馳走」ではなく、日常の食の1つというような扱いだったのではないでしょうか。
フナを昔から食用としてきた地域では、フナ肉のミンチがパック詰めで売られていることもあります。もし運良く見かけたら、ご自分で鮒飯を作って食べてみてはいかがでしょうか。調理も特に難しいことはないので、おすすめです。
 
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