植物メニュー
植物用語解説ページへ
 
アゾラ属   アゾラ属
アカウキクサ科
学名:Azolla sp.
花期:花を咲かせない
特定外来生物(アゾラ・クリスタータ)

 
アゾラ属

概要
アカウキクサ科の浮遊性シダ植物です。
湖、ため池、水田などの水深の浅い水域で、日当たりの良い場所でよく見られます。

日本での分布・原産地
在来種「アカウキクサ」:関東以西の本州、四国、九州に分布します。
外来種「アゾラ・クリスタータ」:南北アメリカ原産です。南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、アフリカに分布しています。

移入の経緯
1990年代、アイガモを使った稲作農法にアカウキクサを取り入れた「アゾラ-アイガモ農法」が行われ始め、
国産のアカウキクサの代わりに使用されていたものが、野生で繁殖し、
あっという間に広がりました。

アゾラ属

特徴
冬になると、葉が赤く変色します。
一部の系統は5~6月に胞子の入った袋状のものをつけ、胞子は水により運ばれ移動していきます。繁殖は水面のみとは限りませんが、水面を覆うように繁殖すると、水質の富栄養化を引き起こす可能性があります。

現状
現在、在来種の「アカウキクサ」は絶滅危惧種、外来種の「アゾラ・クリスタータ」は特定外来生物に指定されています。両種はとても似ており、野外でどちらであるのかを区別するのは困難です(室内において専門家による同定が必要)。現況では、河川や湖沼において外来種のアゾラ・クリスタータの大繁殖が問題となっています。児島湖に生育する個体の多くも特定外来生物の「アゾラ・クリスタータ」である可能性があるため、分布範囲を拡大させないように、慎重な取り扱いが求められます(靴底や魚採り網に付着した一個体が条件の良い場所に運ばれただけでも大繁殖します)。

(科・属・種など「生物の分類」については、底生生物図鑑ページに詳しい解説があります。)
生物の分類

 
  水面を覆い光を遮って雑草の生育を妨げる為、
農業に利用され広がったよ。
 
 
注意)この生物は特定外来生物です
※特定外来生物の扱いについては法律で定められています。

外来生物法
・飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止
・輸入することが原則禁止
・野外へ放つ、植える及びまくことが禁止
・飼養等する許可を持っていない者に対して譲渡し、引渡し、販売などをすることが禁止
・体識別等の措置を講じる義務
※違反内容によっては非常に重い罰則が課せられます。

外来種が及ぼす問題
①在来種の動植物を食べてしまい生態系を乱します。
②在来種の食物、生息場所、繁殖場所を奪い、棲息環境を変えます。
③近縁の在来種と交配して雑種をつくり純粋な在来種が減少します。
④農林水産物を食べたり、畑を荒らしたりします。

外来種 他地域から人為的に持ち込まれた生物のことです。その中でも特に、野生化して世代交代を繰り返し、生態系に定着した動植物のことを指しています。
在来種 従来からその地域で生育・生息している動植物のことです。
外来生物法 海外から持込まれた外来種の中で、特に、問題を引きおこし在来種や生態系に影響のある種類については「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(通称:外来生物法)」により特定外来生物に指定されています。
■児島湖周辺に生息する特定外来生物
オオクチバス   ブルーギル   カダヤシ
▲オオクチバス ▲ブルーギル ▲カダヤシ
競争力が強く、在来の魚を食べ、被害を与えています。 在来の魚の卵や稚魚を食べ、大きな影響を与えています。 淡水魚の卵や稚魚を食べ、メダカ減少の原因にもなっています。
ヌートリア ウシガエル アゾラ・クリスタータ
▲ヌートリア ▲ウシガエル ▲アゾラ・クリスタータ
農作物を荒らし、在来種の生息地や水田の畦や堤防を破壊しています。 大型で貪欲な為、他のカエルなどが減少する一因になっています。 絶滅危惧種に対する競合・駆逐・遺伝的攪乱が危惧されています。
オオキンケイギク   オオフサモ   ボタンウキクサ
▲オオキンケイギク ▲オオフサモ ▲ボタンウキクサ
繁殖力が強く、在来種を脅かしています。 過繁茂した純群落が水流を妨げる等の問題を引き起こしています。 繁殖の速度が速く、水路をふさぐ等の大発生が問題になっています。
当サイト内の全ての情報の無断使用を禁ず
© 児島湖と児島湖流域の生物 All Rights Reserved.
▲ページトップ▲