特徴
流れがまったくないか、ゆるやかな水域に生息している、極めて原始的な生物です。
タンスイカイメンは種類によって色、形とも様々で、内部に共生している藻類のために、緑色をしているものが多く見られます。タンスイカイメンの体の中には、水の流れを起こすもの、体組織を作るものなど、種々の役割を担う様々な細胞が存在し、それらの細胞を、骨片という、固い骨のような組織の集まりである骨格繊維が支えています。
タンスイカイメンは、一度付着した場所から動くことはできず、一生を1つの場所で過ごします。体の中には、タンスイカイメンを住処として利用したり、エサとして摂食したりする生き物が見られることもあります。
食性
体の表面にある、小孔という穴から水を吸収し、水中の微細なプランクトンを摂取します。プランクトンと一緒に吸い込んだ水は、体内のあちこちを巡り、体の表面の大孔という穴から排出されます。
繁殖方法
タンスイカイメンは、有性生殖と無性生殖の両方を行います。有性生殖では、精虫と卵(らん)との受精によって、1.5mmほどの大きさの幼生を産み出します。幼生は、しばらくの間水中を遊泳した後、適当なところに着床し、そこでカイメンとして成長します。
無性生殖には、体の先端に芽を作って伸ばしていくものと、芽球という球状のものを水面に放出するものとの、2種類があります。後者は一般に、成育に適さない環境下で多く行われる繁殖方法です。
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